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USBオーディオインターフェイスEDIROL UA-X1 を買ってみた
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iTunes+iPodにすっかりハマった管理人は、ついに過去に録りためたアナログ音源(カセットテープ)のデジタル化に手をつけてしまいました・・・。

素晴らしきかな80年代?
管理人がいちばん音楽を聞いていた時代の主流音楽メディアといえば、やはりレコードやカセットテープです。
とりわけカセットテープは取り扱いがカンタンという事で、邦楽・洋楽のヒット曲のほかにも、アニメ主題歌(当時からかなりのアニメ好きだった)などエアチェック(←懐かしい響きだ!)やレコードから録音したテープがかなりの数残っています。
しかし、磁気メディアというのは磁気層の酸化による音質の劣化が避けられません。
そこで数年前に取り組んだのがMDへのコピーですが、テープ→MDのコピーは思った以上に面倒で、しかも1本のテープが1枚のディスクに置き換わるだけというのは非効率な感じがして、気に入ったテープ・曲だけをMDにコピーしてやめてしまいました。

そこにiTunes+iPodの登場です!
デジタル化することで曲の管理が簡単になる上に、HDの容量内であればMD・CDのようなディスクの入れ替えが発生しないという点がとても気に入って、最近では音楽は必ずiPodで聞くことにしてしまいました。
ならば、テープ音源をiTunesに取り込んでしまおう!と思い立ったわけです。

EDIROL=ROLAND
今回も作業にはiBook G4(Mac OS X)を使います。
iBookにはアナログ・インターフェイスがないので、別途これを購入せねばなりません。
そこで白羽の矢をたてたのが[EDIROL UA-X1]。
EDIROLは楽器・レコーディング機器メーカーRolandのPC用のレコーディング機器のブランドです。
売り場ににはIO-DATA製のインターフェイスもあったんですが、やはり音楽関係はROLANNDかな?というブランド主義で選んでみました(笑)

この製品は、アナログ音源を変換してUSBからオーディオ素材を取り込めるようにする器機で、管理人は9,250円(税込)で購入しました。
上位機種に[UA-3FX]というのもあるんですが、まぁ予算的なものと性能を考えて、そこまで凝らなくても取り込めるだけでいいかな?と。
カタログを見るとスペックの欄に、サンプリングビット数・サンプリング周波数という2つの数値が書いてあります。
この2つの数値でデジタルオーディオとしての音質が決まるのですが、 [UA-X1]は最高で16ビット・48kHz、[UA-3FX]は24ビット、48kHzとなっています。
24ビットで入力した方が波形が滑らかになるため、音質は良いのですが、CDでも16ビット・44.1kHz程度しかないので、そこそこのクオリティーで良いのなら[UA-X1]でも十分というわけなのです。
まして、相手はすでに音質の落ちたカセットテープだし・・・。

iBookに[EDIROL UA-X1]を接続してみたところ。
赤白のオーディオケーブルはラジカセのヘッドホン端子につながっている。

手持ち機材で工夫してみる
あまりお金をかけたくないので、手持ちの機材で作業を始めます。
まず、おさらい!「アナログ音源をデジタル化するのに必要なもの」は・・・
・USB端子付のマック(又はWin機)
・USBオーディオインターフェイス
・波形(音楽)編集ソフト
・オーディオ機器
・オーディオケーブル
このうち「波形(音楽)編集ソフト」は[EDIROL UA-X1]に付属の[Sound it!3.0]を使用します。(←ソフトも、より高機能なものを使えば音質が向上するらしいですが・・・)
オーディオ機器は、昔はけっこう凝った物を持っていたのですが大半がダメになり買い替えもしていないので、ラジカセを使います。
で、このラジカセがラインOUT端子を持っていないので、ヘッドホン端子から出力できるようケーブルは片方がステレオミニプラグのものを用意しました。

ところで、ラジカセのヘッドホン出力とオーディオ・カセットデッキのラインOUT出力ではインピーダンス(交流抵抗値)の関係で、音質的には後者の方が圧倒的に有利です。
また、ステレオミニプラグは物理的に左右のサウンド出力がひとつの端子にまとめられているため、左右の音が互いに干渉して音質を劣化させる原因となります。
ケーブルも年月が経つと酸化して電気伝導率が落ちるので、新しい物を用意するのがベストだとは思うのですが・・・懲るとキリがないのがこの世界!
とりあえず接点復活剤で各接点を磨いたり、ラジカセのヘッドをこまめに専用アルコールで拭いたりと、簡単に出来ることを手間を惜しまずせっせとやることにします。

準備開始!
まず、USBオーディオインターフェイスを使うにあたってサウンドの入出力に関する設定をシステム側でします。(←OS XとOS9で若干違うので詳細はマニュアルを参照)
OS Xの場合は
1.UA-X1とマックを接続する
2.[システム環境設定]→[サウンド]を開く
3.[サウンドエフェクト]タブをクリック→「警告とサウンドエフェクトの再生装置」メニューの中から[USB Audio CODEC]を選択
4.[出力]タブをクリック→「サウンドを出力する装置」メニューの中から[USB Audio CODEC]を選択
5.[入力]タブをクリック→「サウンドを入力する装置」メニューの中から[USB Audio CODEC]を選択
以上の設定をしてウインドウを閉じます。
これらの設定は[UA-X1]を接続した状態でマックを起動した場合は自動で切り替わりますが、起動済みのマックに後から接続した場合は再設定が必要となります。
あとは、付属のCD-ROMより[Sound it!3.0]をインストールしたら準備は完了!

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曲を取り込んでみる
[ファイル]→[新規作成]で「ウエーブの新規作成」ダイアログを開きます。
ビットレジリューションを[16ビット]、チャンネルを[STEREO]、サンプリングレートを[48000Hz]に設定したら[OK]をクリックします。
([UA-X1]は16ビットにしか対応していませんし、マックの場合48000Hzに設定しないと取り込みができません。)
これで編集画面が表示されて、取り込み・編集が出来る状態になります。
あとはカセットテープを再生しておいて編集画面の[録音ボタン]を押せば録音が開始され、[停止ボタン]を押せば録音が終わります。

ここで、注意したいのは録音レベルです。
Sound it!の[設定]→[入力レベルを開く]を選択するとレベルメーターが表示されます。
音源を再生した時に、このメーターが振れていないと入力が上手くできていないと言うことになるのですが、肝心なのは入力レベルが低すぎると良い状態で録音できないということです。
低すぎるとカセットテープ特有の「サー」というノイズばかりが気になるものに、逆に高すぎると音が割れて聞き苦しいものになってしまいます。
曲調にもよりますが、一番強い音が出ているところでレベルメーターが一瞬すべて点く状態が良いと思います。
黄色あたりをチラチラするくらいでは低すぎ、振り切れて点きっぱなしになるようでは高すぎということですね。

Sound it!側でも入力レベルの調節ができるようですが、レベル調節は必ず出力側の器機でやるようにします。
理由は簡単、そのほうが音質の劣化が少ないからです。
ちゃんとしたカセットデッキから音源をとっている場合は、ラインOUTのレベルを調節します。
(←もしなければアンプを通す)
管理人のようにラジカセのヘッドホン出力から音源をとっている場合は、ラジカセのボリュームを調節して最適レベルに合わせます。
ちなみに[UA-X1]に付いているボリュームはモニター用のヘッドホンの音量を調節するものなので、入力レベルには影響しません。勘違いをしないように・・・。
さらに、この入力レベルメーターは、開きっぱなしにしておいても全く問題ないので、常に表示した状態にしておくと便利です。

デフォルトでは44100Hzが選択されていますが、マックでは48000Hzを選択するのが正解。
レベルメーターが全て点灯している状態。
入力レベルは可能な限り高く!というのが基本。

もう少し工夫してみる
試しに1曲取り込んでみましたが、低音域に迫力がないし高音域のボーカルもちょっと奥に引っ込んだ感じに聞こえてしまいます。
これはダイナミックレンジが狭くなっているからだと思われます。
ダイナミックレンジというのは、信号の再現能力を表す数値で、最大値と最小値の比率をdB(デシベル)で表したものです。
この値の幅が広いほど原音に近い音質を再現できるのですが、今回の場合は、カセットテープに録音した時点でダイナミックレンジは狭くなり、オーディオ・デッキで録音したテープもラジカセで再生することでダイナミックレンジはさらに狭くなる(カセットテープのグレード(ノーマルとか、クロームとか、メタルとか・・・)や、録音・再生機器の性能が影響する)はず。
そして、テープそのものが酸化して劣化しているはずなので・・・そうとうに条件が悪いですね。

そこで、少しでも音の印象を良くするためにイコライザーで音をいじってみます。
といってもラジカセに付いているイコライザー機能なのでたかが知れていますが・・・。
管理人所有のラジカセにはプリセットされた何種類かの設定があるので、その中から好みの音色を選択してみました。
ちなみに、いつもラジカセのスピーカーで聞く時の設定とは違います。
いつもは「LIVE」というコンサートホールで聞いているかのような音色に広がりのある設定ですが、今回は「Excite」という高音と低音を強調したような設定を選んでみました。
低音もボーカルもはっきりして聞きやすくなりました。(人それぞれ好みがあるでしょうが・・・)
イコライザー機能のある器機を持っている人は試してみる価値ありです。
Sound it!側にもイコライザー機能がありますが、取り込んだあとで調整するのと、取り込む前に調整するのでは音質に違いが出てきます。
出来るだけ出力側で調整するようにした方が良いでしょう。

編集をする
停止ボタンを押すと、しばらくして波形が表示されるので「曲」の部分を1曲ずつ切り出して行きます。
そう!Sound it!には自動で曲を切り分ける機能がないのだぁ〜!!
なので取り込んだ後は手動で切り分けなければなりません。
作業そのものは簡単ですが、1曲ずつ保存していかなければならないので結構めんどう・・・。
曲の開始位置と終了位置をカーソルでドラッグしてして選択範囲をつくり、[ファイル]→[選択範囲を別名で保存]で、任意のファイル名と保存場所を指定、ファイル形式はとりあえずAIFFでOK!
(MP3プレーヤーで聞く人は、いきなりmpg形式でも良い)

書き出したファイルはQuick Time Playerで聞くことが出来るので、編集画面を破棄する前に、先頭と終わりの部分だけでも確認しておくと「音が切れてる!」なんてことを防げます。
切れていたら編集画面に戻って選択範囲を指定し直して保存し直せばOK。
ちなみに曲を取り込む時も、保存(エンコード)する時も、多少の時間を要する。(←当然マシンスペックに左右されます・・・)
画面下側にグラフが現れるので目安にしましょう。

Sound it!3.0はいろいろなことができそうなのですが、製品に添付されているマニュアルには詳しい使い方が書かれていないので、ちょっと不親切。
インターネットで検索をかけると詳しく説明しているサイトもいくつか見つかるので、そちらを参考にすると良いのでは?・・・。
管理人は読み込めればよかったので、あきらめました・・・。

波形を編集する時は、ズームツールで拡大しておくと選択範囲が作りやすい。
カーソルをドラッグして選択範囲を作る時は、終了位置から開始位置に向かってドラッグするとスクロールが早いのでオススメ。
この他にも、開始と終了を時間で指定する方法や、マーカーを使って指定する方法もある。
選択範囲を作ると各種エフェクトがかけられるようになります。

iTunesに取り込む
iPodで聞けるようにするため、Sound it!で保存したAIFFファイル(mpgファイルでも良い)をiTunesのライブラリにドラッグ&ドロップします。
すでにライブラリに大量のファイルがある場合は、ドロップしたファイルが分かりにくくなるので、(実は)AIFFファイルの名前は「無題0001」などの方がよいです。
右上の検索欄に「無題」と打ち込むだけで、それらのファイルのみを表示してくれるので便利。

次にAIFFファイルをAACファイルにエンコードし直します。
AIFFは1曲の容量が約30〜50MBと大きいので、より圧縮率が高く音質も良いAACに変換するのがオススメです。
(ACC変換後はファイル容量が約1/10になります)
変換方法は、ファイルを指定して[詳細設定]→[選択項目をAACに変換]でOK。
しばらくすると、いま選択したファイルの下にAACでエンコードされた新しいファイルが出来上がります。
AACファイルが出来たら、もとのAIFFファイルは削除します。
あとは曲ファイルを選択して[ファイル]→[情報を見る]で曲名、アーティスト、アルバム名などの情報を入力して完成です。

特定のプレイリストに格納するのはこれら一連の作業をしてからがオススメ!
AIFFファイルをいきなりプレイリストにドラッグ&ドロップしてもよいのですが、[詳細設定]→[選択項目をAACに変換]で変換したACCファイルはライブラリの中につくられるので、もう一度ドラッグ&ドロップしてプレイリストに登録(もとからあるAIFFファイルは削除)するという2度手間が発生してしまいます・・・。
ちなみに、AIFFファイルはライブラリ内のAIFFファイルを探し出して削除しないと(プレイリスト内のファイルを削除しただけでは)削除したことにはならないので注意が必要です!

AIFFをAACにエンコード中・・・しばし時間を要します。
ん〜趣味がわかるなぁ(笑)

まとめ
いや〜ものすごく手間がかかります。最初は楽しいんですけどね〜だんだん辛くなる(笑)
なにしろ、取込むだけでも曲の長さ分の時間がかかるのに、編集して、変換して、保存して、データを打ち込んで・・・あぁ、全部終わるのにどのくらいの時間がかかるのでしょう・・・。
それとヘッドのクリーニングはこまめにした方が良いです。
テープの(保管)状態にもよるんでしょうが、古いテープほど割とすぐに汚れます。
(←磁性帯のカスがヘッドにつくから。綿棒にクリーナーを付けて拭くと取れる)
汚れると音がこもってくるので、録音結果が面白くないことになってしまいます。

使い込んだデッキ(ラジカセ)の場合はヘッドの消磁なんかもやったほうが良いかも・・・。
管理人は、確か消磁器を持っていたはずですが・・・どこにいったのでしょう?
ひと昔前にはレコードを聴くにも、テープを使うにも、良い音を楽しもうと思ったらそれなりにいろいろ手間をかけなければいけなかったんですよねぇ〜・・・。それを思い出してしまいました。
しかし、音源がテープやレコードしかない場合にはこういう方法も仕方がないですが、CDが手に入るのならやっぱりCDからコピーの方が楽かな〜(笑)

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